戦後日本の発展史を裏社会から生々しく描き出し、ベストセラーになった『東京アンダーワールド』。その続編である本書は前作に盛り込めなかった逸話や新たに収集した資料をまとめたものだが、テンションの高さは前作にひけをとらない。むしろ興味深いエピソードや個性的な人物に焦点を当て、性風俗や闇社会の実態に踏み込んだ本書のほうが、読みやすさでは勝るかもしれない。前作を読んでいなくてもおもしろく読める(そして読んだあとは、前作を読みたくなるに違いない)。 なにしろ終戦直後のGIの生態や、ヤミ商売のあきれた手口、多国籍の売春婦、大胆不敵な詐欺師たち、怖いもの知らずの多国籍ガイジンヤクザなど、好奇心をそそる「ネタ」ばかりだ。 とくにエバ・ガードナーと浮き名を流した伊達男のナイトクラブ店主ウォリー・ゲイダ、児玉誉士夫と組んでカジノを経営した元戦争捕虜テッド・ルーイン、事実上国際的なデートクラブだったハンバーガーショップを経営したニューヨークの元警官ダニエル・スタイン、六本木に嵐を呼んだ水商売の天才マギーなど、戦後の動乱期の東京で暴れまくったキャラクターは実に魅力的。その背景にある混沌とした社会のエネルギーも伝わってくる。 だが本書は、不良ガイジンの痛快な犯罪実録集にとどまらない。著者は1957年のジラード事件から沖縄での米兵の犯罪やえひめ丸事件にいたる日本と米軍のゆがんだ関係を描き出す。脚光を浴びたルーシー・ブラックマン殺害事件の裏にひそむ、外国人女性の人身売買にも光を当てる。好奇心をそそる数々のエピソードを積み重ね、日本の最も深い暗部── 闇社会の実態、政財界との癒着構造を浮き彫りにしていく。日本に根を下ろした外国人の目から見た日本社会の印象も実に興味深い。 深刻な不況や政財界の腐敗、犯罪率の増加など、現代の日本が直面する問題を考えるうえでも必読の書である。(栗原紀子)
これぞ、読本。
東京出身ではないが、現在、東京在住。故郷より大好きな町となっている。日頃何も考えず歩いている駅や町で戦後予想もしないことが行われ、黙認されてきたことがとても不思議で衝撃的。筆者の鋭い指摘、第三者としての角度からみた視点は<相変わらず>素晴らしい。戦後混乱の中、色々あったにせよ国民の血税を握る政財界の腐敗は永遠の問題点のようだ。戦後歴史、ノンフィクション好きには堪らない一冊。
人間の本質
ちょうどサッカーファンにも良い人と悪い人がいるように。もちろん良い日本人もいれば悪い日本人もいる。しかし、著者が本書を通して言いたかったことは、そういうことではない。彼が言いたかったのは、「どんな光にもつきまとう影の部分」が存在しており、その影の部分ー金銭欲、犯罪、肉欲ーは人類共通の要素である、ということだ。すべての人間の心には明るい面と暗い面がある。それがこの本のテーマだ。東京アンダーワールドに続く第2弾。前作を読んであごが落っこちる思いだったので読んでみた。(前作同様)訳が良く、一気に読め、非常にEducationalでありEntertainingでもある。六本木でお勤めの方にはガイドブック(または歴史書)として役に立つでしょう
東京アウトサイダーズ−東京アンダーワールド2
東京アンダーワールドがあまりにも衝撃的だったので、ややビックリ度にかける点はあるものの著者の取材姿勢、能力には相変わらず頭が下がる。のほほんと生きてきた私のようなものにとっても、日々考えさせられることが多い。戦後50年以上経った今でも、日本は戦後をまだ引きずっているままなのだという気がしてならない。(ちなみに戦争体験者でもベビーブーム世代でもない。)暗黒の世界を知らない私にとって、この2冊は日本の政治・経済・社会の見方を変えるものとなった。またこれが、日本人ではなく外国人により外国人を描いて、日本を描く(あえて、書くではなく、描くとした。)という点に意義があるのではないのだろうか。
アンダーワールドは読むだけにしてください
「東京アンダーワールド」ほどの衝撃はなかったが、それでも十分すぎるほど面白い。続編がいつ出るのか、ロバート・ホワイティングに電話したくなるくらい。 東京アンダーワールドは、一人の人物を軸に、東京・六本木を映し出した傑作だが、そのアンダーワールドの外伝、こぼれ話がまとめられ一冊の本にまとめられている。「東京アンダーワールド」を先に読むと面白さは格段に違ってくると思われる。アンダーワールドと名付けられた世界の理解をより進めることができる。性格が傾いたユニークな人物達が次々と紹介され、読み終わるまで飽きない。そういった人物が次々と起こす事件のうち、時々一般社会に報じられ世間を驚かせる。是非、この世界を垣間見てください。
早くも続編が登場!
ガイジン版「突破者」とでも言うべき、戦後の外人やくざ者たちの生き様を描いたドキュメンタリーの第2弾です。「東京アンダーワールド」が戦後の歴史や政治情勢をふまえていたのに対し、「東京アウトサイダー」はひとり一人の性格やエピソードに深く突っこんでいます。現代なら英会話スクールで働いているいような、はぐれ者外人たちが織りなす驚愕の物語の数々が、ノンストップで押し寄せてきてあっという間に読破してしまいました。日本にいる外国人たちへの目が一八〇度変わる一冊です。
角川書店
東京アンダーワールド (角川文庫) 東京アンダーナイト―“夜の昭和史”ニューラテンクォーター・ストーリー 盗作の文学史 ヤクザ・リセッション さらに失われる10年 (光文社ペーパーバックス) 左脳を鍛える大人のパズル
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